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かさじぞう(日本の昔話) Kasa Jizo (Japanese Folktale)

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今日きょうは「かさじぞう」という日本にほん昔話むかしばなしをします。

「かさじぞう」のかさとはこんなかぶもののことです。帽子ぼうしみたいですよね。

いま時代じだいかさかぶっているひと滅多めったにいませんがむかしひとは、あめゆき日差ひざしからあたままもるためにかさかぶっていたそうです。

「かさじぞう」の地蔵じぞうとは、こんないしでできた石像せきぞうのことです。

地蔵じぞうさんとったり、お地蔵様じぞうさまったりします。

てら道端みちばたかけることがありますよ。

仏教ぶっきょうではお地蔵じぞうさんが私達わたしたちのことをまもってくれるとしんじられています。

また、かなしいことやつらいことがあったとき、お地蔵じぞうさんがわりにくるしみをけてくれる、身代みがわりになってくれるとしんじられています。

なのでお地蔵じぞうさんをかけたら、わせてお辞儀じぎをしたり、おそなものをしたりします。

それでは「かさじぞう」のはなしはじめます。

12月じゅうにがつ31日さんじゅういちにち大晦日おおみそかよる出来事できごとです。

あるところに、おじいさんおばあさんがんでいました。

おじいさんとおばあさんにはおかねがありません。まずしいらしをしています。

日本にほんではお正月しょうがつもちべますが、明日あしたからお正月しょうがつなのに、おじいさんとおばあさんはまずしくて、もちすらえません。

おじいさんは、まちかさりにくことにしました。

おばあさんがつくった手作てづくりのかさです。

かさっておかねかせいで、まちでお正月しょうがつべるものおうとおもいました。

ってきます!」「ってらっしゃい!をつけてね。」おばあさんがおじいさんを見送みおくります。

そとゆきっています。大雪おおゆきです。とてもさむいです。

まち途中とちゅうにお地蔵じぞうさんがありました。お地蔵じぞうさんが6体ろくたいならんでいます。

おじいさんは「お地蔵じぞうさんもさむそうだなぁ」とおもいました。

地蔵じぞうさんのあたまにはゆきもっています。おじいさんはそれをはらとしてあげました。

おじいさんはお地蔵じぞうさんになにかおそなえしたいです。

ですが、おじいさんはなにっていません。お地蔵じぞうさんにおそなえできるものがなにもありません。

おじいさんはもうしわけないなとおもいました。なにもおそなえできなくてごめんなさいとおもいながら、お地蔵じぞうさんにお辞儀じぎをしてまたまちかってあるいていきました。

かさはいりませんか。」「かさはいりませんか。」おじいさんはかさろうと町中まちじゅうあるまわりますが、かさまったれません。だれってくれません。

かさはたくさんのこってしまいました。

仕方しかたない。もういえかえろう。」おじいさんはかさるのをあきらめていえかえることにしました。

かえみち、またお地蔵じぞうさんのまえとおりました。

地蔵じぞうさんのあたまにはまたゆきもっています。おじいさんは、お地蔵じぞうさんのあたまゆきはらとしました。

「お地蔵じぞうさん、さむいでしょう。」とって、のこったかさをお地蔵じぞうさんにかぶせてあげました。

でもかさいつつしかありませんでした。ひとりません。

おじいさんは自分じぶんかぶっていたかさをとって、お地蔵じぞうさんにかぶせてあげました。

そして大雪おおゆきなか自分じぶんかさなしで、かさかぶらずにいえかえりました。

「ただいま」「おかえりなさい」

おじいさんはゆきまみれです。とってもさむそうです。

ゆきまみれになったおじいさんをたおばあさんは、おどろいて「どうしたの?」ときました。

おじいさんは、かされなかったこと、それから、のこったかさをお地蔵じぞうさんにかぶせてあげたことをおばあさんにはなしました。

おばあさんはにこにこわらって「いことをしたね。」といました。

かされず、正月しょうがつべるものえませんでした。

でもおばあさんはおこったりしませんでした。おじいさんをめたりしませんでした。

そのよる二人ふたりねむってしばらくったころそとからなにおとこえてきました。

なんおとだろう?」二人ふたりましてけると、いえまえにはたくさんのものかれていました。

なにこれ!?」二人ふたりはびっくりしています。

ふとまえると、かさかぶった6体ろくたいのお地蔵じぞうさんがっていくのがえました。

地蔵じぞうさんがってきてくれたもののおかげで、二人ふたりいお正月しょうがつむかえることができました。

今日きょうは「かさじぞう」のおはなしをしました。

今日きょうはこれでおしまい。またね!

今日は「かさじぞう」という日本の昔話をします。

「かさじぞう」の笠とはこんな被り物のことです。帽子みたいですよね。今の時代、笠を被っている人は滅多にいませんが昔の人は、雨や雪や日差しから頭を守るために笠を被っていたそうです。

「かさじぞう」の地蔵とは、こんな石でできた石像のことです。お地蔵さんと言ったり、お地蔵様と言ったりします。お寺や道端で見かけることがありますよ。仏教ではお地蔵さんが私達のことを守ってくれると信じられています。また、悲しいことや辛いことがあったとき、お地蔵さんが代わりに苦しみを引き受けてくれる、身代わりになってくれると信じられています。なのでお地蔵さんを見かけたら、手を合わせてお辞儀をしたり、お供え物をしたりします。

それでは「かさじぞう」の話を始めます。

12月31日。大晦日の夜の出来事です。あるところに、おじいさんおばあさんが住んでいました。おじいさんとおばあさんにはお金がありません。貧しい暮らしをしています。日本ではお正月に餅を食べますが、明日からお正月なのに、おじいさんとおばあさんは貧しくて、餅すら買えません。

おじいさんは、町へ笠を売りに行くことにしました。おばあさんが作った手作りの笠です。笠を売ってお金を稼いで、町でお正月に食べる食べ物を買おうと思いました。「行ってきます!」「行ってらっしゃい!気をつけてね。」おばあさんがおじいさんを見送ります。

外は雪が降っています。大雪です。とても寒いです。町へ行く途中にお地蔵さんがありました。お地蔵さんが6体並んでいます。おじいさんは「お地蔵さんも寒そうだなぁ」と思いました。お地蔵さんの頭には雪が積もっています。おじいさんはそれを手で払い落としてあげました。

おじいさんはお地蔵さんに何かお供えしたいです。ですが、おじいさんは何も持っていません。お地蔵さんにお供えできるものが何もありません。おじいさんは申し訳ないなと思いました。何もお供えできなくてごめんなさいと思いながら、お地蔵さんにお辞儀をしてまた町へ向かって歩いていきました。

「笠はいりませんか。」「笠はいりませんか。」おじいさんは笠を売ろうと町中を歩き回りますが、笠は全く売れません。誰も買ってくれません。笠はたくさん売れ残ってしまいました。「仕方ない。もう家に帰ろう。」おじいさんは笠を売るのを諦めて家に帰ることにしました。

帰り道、またお地蔵さんの前を通りました。お地蔵さんの頭にはまた雪が積もっています。おじいさんは、お地蔵さんの頭の雪を払い落としました。「お地蔵さん、寒いでしょう。」と言って、売れ残った笠をお地蔵さんに被せてあげました。

でも笠は5つしかありませんでした。1つ足りません。おじいさんは自分が被っていた笠をとって、お地蔵さんに被せてあげました。そして大雪の中、自分は笠なしで、笠を被らずに家に帰りました。

「ただいま」「お帰りなさい」おじいさんは雪まみれです。とっても寒そうです。雪まみれになったおじいさんを見たおばあさんは、驚いて「どうしたの?」と聞きました。おじいさんは、笠が売れなかったこと、それから、売れ残った笠をお地蔵さんに被せてあげたことをおばあさんに話しました。

おばあさんはにこにこ笑って「良いことをしたね。」と言いました。笠が売れず、正月に食べる食べ物は買えませんでした。でもおばあさんは怒ったりしませんでした。おじいさんを責めたりしませんでした。

その夜、二人が眠ってしばらく経った頃、外から何か音が聞こえてきました。「何の音だろう?」二人が目を覚まして戸を開けると、家の前にはたくさんの食べ物が置かれていました。

「何これ!?」二人はびっくりしています。ふと前を見ると、笠を被った6体のお地蔵さんが去っていくのが見えました。お地蔵さんが持ってきてくれた食べ物のお陰で、二人は良いお正月を迎えることができました。

今日は「かさじぞう」のお話をしました。今日はこれでおしまい。またね!

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